商工会議所は従業員への福利厚生を目的に活用する重要があります。
その代表的な存在なのが退職金制度の活用です。
商工会議所は特定退職金共済制度を扱っていて、大企業から中小企業まで幅広く利用できます。
退職金制度とは、定められた年数以上働いた場合に勤続年数や在職期間中の業績などに応じて退職金を支給する制度です。
50人以上の企業での導入率が92.3%を誇り、中小企業でも従業員の福利厚生で導入する事例が増えています。
退職金制度は大きく分けて自社準備型・企業年金型・退職金共済型の3種類があり、共済型は管理が楽で種類によっては国から助成金が出るメリットがあります。
退職金共済制度は主に以下の3種類があります。
原則として従業員全員加入する必要があり、月々の掛け金は5,000円~です。
国から助成金が出ますが、利息がほとんどつかないデメリットがあります。
業種別に従業員や資本金の下限が定められていて、経営者や役員は加入不可です。
中退共より小規模の企業でも加入でき、個人事業主や経営者も個人単位で加入できます。
デメリットは20年未満で解約すると元本割れを起こす可能性があることで、他の退職金共済より中途解約時のリスクが高いです。
なお、廃業による解約は返戻率が優遇されます。
商工会議所や一般社団法人などが所轄税務署長の承認を受けたうえで運営する共済型退職金制度です。
従業員全員加入が必要で経営者と役員は加入できませんが、従業員数の制限がないため大企業でも加入できます。
また、中退共などと併用して加入することもでき、掛け金は1,000円単位で月々1,000円~3万円の範囲内で自由に設定可能です。
民間の保険会社に運営が委託され、共済金は国によって保全されています。
選ばれる理由でもっとも多いのが月々1,000円から加入できることです。
中退共は国からの助成金が出る分だけ有利だと解釈されることがありますが、特定退職金共済は民間保険会社による運用によって中退共と同等の返戻率を誇ります。
人気を高めている退職金共済制度ですが、商工会議所の会員や一般社団法人でないと加入できません。
また、受託金融機関が破綻すると給付がカットされるデメリットがあります。
過去には千代田生命の破綻によって、特定退職金共済制度の加入者に悪影響が出たケースがあります。
退職金制度を導入する企業は税金対策か優秀な人材確保、いずれかの目的を持っていることが多いです。
退職金共済は掛け金の全額が企業負担になり、損金として経費計上できます。
ただし、従業員の同意なしで掛け金の減額ができないなど制約もあるので、税理士などに相談しながら慎重に検討しましょう。
従業員の立場ではメリットしかなく、退職金を何も用意していない企業はブラックだと判断される恐れがあります。
退職金制度を用意しておけば求人を出した際の反響が大きくなり、雇用している従業員の定着率と満足度の向上に繋がります。
退職金制度を導入するかは税理士に相談しながら中長期的に検討しないといけません。
商工会議所でも相談には乗ってくれますが、個別に決算や事業計画を精査したアドバイスを受けることはできないです。
それでも同等規模の会社の具体例など検討するヒントをくれることがあるので、まずは商工会議所へ退職金制度に関する問い合わせと相談をしてみることをおすすめします。