商工会議所に加入すると資金調達がしやすくなります。
会員でも信用情報に傷があるブラックだと融資を受けられませんが、審査に通過する信用力があれば商工会議所の会員向け融資や融資支援サービスなどを利用できます。
商工会議所の資金調達についてまとめました。
商工会議所を代表するサービスの一つが、マル経融資(小規模事業者経営改善資金貸付制度)です。
マル経融資は商工会議所等で原則6ヵ月以上の経営指導を受けた方に対し、無担保・無保証人で日本政策金融公庫が融資を行う国の制度です。
貸付限度額は最大2,000万円で返済資金は運転資金7年以内・設備資金10年以内、2023年12月現在の金利は1.2%/年になっています。
日本政策金融公庫の貸付制度を利用すれば商工会議所の会員以外でも、同等の条件で資金調達することが可能です。
しかし審査に落ちるケースが多く、手続きに手間取って資金調達コンサルを利用するケースが多く見られます。
マル経融資は商工会議所の会員になって6ヶ月以上の経営指導を受けても、融資が確約されるわけではなく厳しい審査が行われます。
それでも商工会議所以外のルートで自力申込をして日本政策金融公庫の融資を受けるより、ハードルが低いのは確かでしょう。
日本政策金融公庫から融資を受けたい場合、商工会議所に加入していた方が資金調達がしやすくなると言えます。
ただし、6ヶ月以上の経営指導が必要なので、新規加入を検討している方は時間と手間がかかる点にご注意ください。
商工会議所に加入していると、国などが提供する補助金・助成金の各種申請をスムーズにできるケースがあります。
脱コロナ以降に人気を集めている「小規模事業者持続化補助金」は、商工会議所地区(管轄地域)で事業を営んでいる小規模事業者等が対象です。
自社の経営を見直して自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や生産性向上の取り組みに対して、最大200万円まで補助金が出る支援制度です。
商工会議所の会員でなくても申請は可能ですが、商工会議所地区の言葉が使われていることから分かる通り、採択される事業者の大半が商工会議所に加入しています。
商工会議所に加入していれば、各種補助金の申請や事業計画書の作成支援・各種相談サービスを利用できるため資金調達しやすいです。
こうした補助金を貰うことだけを目的に、商工会議所の会員になっている経営者がたくさんいます。
商工会議所の会員に向けた融資や各種資金調達の支援サービスは、全国各地の商工会議所によって違いがあります。
一例として東京商工会議所では以下の支援をしています。
提携している金融機関の貸付金利が優遇された商工会議所会員限定ローンを利用できる。
東京商工会議所と東京信用保証協会の提携商品で、原則無担保で最大2,500万円まで融資を受けられる。
商工会議所が計画書の作成から起業後のフォローアップまでを支援。
保証協会が提携金融機関に融資をあっ旋。
このほかにも商工会議所の相談サービスを利用すれば、国や自治体などの資金調達に関連した様々な制度を紹介してもらえます。
必要に応じて各種支援も受けられるため、商工会議所に加入すれば資金調達が有利です。
特に自力で事業計画書を作成したいけど専門性がない小規模事業者や起業家は、商工会議所に加入する恩恵を感じやすいでしょう。
資金調達をサポートする民間コンサル会社を利用するより、商工会議所の会費の方が圧倒的に安いです。
コンサルサービスとは違って全てを任せることはできず、ある程度は自らが労力を費やして手続きをしないといけませんが、資金調達だけが目的でも商工会議所に加入する価値があります。